人と繋がろうとするほど孤独を感じる謎

突然ですが、
友達は何人いますか?
仲間は何人いますか?
ネットでつながっている人は何人いますか?

私は「今度会おう!」って
気軽に誘える友達が20名程。
そのうち、本気で悩みを
相談できる相手は3名程。
仕事仲間は、50名程かな。

ネット上で繋がっている人は数千人、
数万人くらいになるかもしれない。

繋がっている人は
多いように思うけれど、
つい最近まで
毎朝、なぜか漠然とした孤独に
襲われていました。

その孤独を埋めるために、
もっと多くの人と繋がらないと思い、
ネット上での繋がりを持とうとしましたが、

実際には、新しい情報を得れば得るほど、
新しい世界の人を繋がろうとすればするほど
孤独になっていく。

こんな逆説的な謎が深まっていたとき、
偶然手に取ったのが、
山極寿一さん著「スマホを捨てたい子供たち」でした。

【Amazon】スマホを捨てたい子どもたち: 野生に学ぶ「未知の時代」の生き方

山極さんは長年フィールドワークを通して
ゴリラの研究をされた方です。
そのため、人間社会を外から
観察する視点を持っています。

彼の視点で人間を見てみると、
今の人間の生活は
生物学的な人間からかけなれた生活を
していることが分かります。


この記事では
スマホ疲れをしている人や
ネットの繋がりに孤独を感じている人に

あなたが孤独に弱いわけじゃないよ。
生物学的に無理なのよ。
ということが伝われば嬉しいなと思います。

人間が信頼関係を築けるのは、せいぜい150人ほど

人間が信頼関係のある人間関係を築けるのは、
150名までという研究結果を知っていますか。

これは「友達の数は何人?」で有名な
ロビン・ダンバーさんが
人間以外の霊長類の脳の大きさと、
その種の集団サイズの関係から出したものです。

【Amazon】友達の数は何人?―ダンバー数とつながりの進化心理学

人間の脳の大きさは、
狩猟採集時代とさして変わっていません。
狩猟採集時代の移動生活で、
信頼関係を保てたのがMAX150名ほど。

なので、
私たちも信頼関係を保てるのは
せいぜい150名ほどなのです。

現在は、インターネットを通じて、
言葉や写真、音声で無数の人と
繋がっている感覚を持ちます。

でも、生物学的には
150人以上の人と
信頼関係や繋がりを持とう
とすることは無理ゲーなのです。

信頼は時間、空間を共有することでしか築けない

人間は言葉を持つ前、
五感を使って、時間や空間を
共有することで信頼関係を築いてきました。

例えば、
食事を一緒をしたり
同じを音楽を聞いて踊ったり
共同で育児をしたりなど。

親と子が深い繋がりを持てるのも、
遺伝子上の問題ではなく、
同じ時間、空間を過ごしたこと
によるものが大きい。

私の話になりますが、
下の子が生まれた時、
この子を上の子と同じくらい
愛せるのだろうかと
不安になりました。

当時はそう思う自分に
罪悪感を感じていましたが、
今ならこの感覚に納得がいきます。

上の子とは何百回も寝食を共にし、
多くの時間、出来事を共有してきました。
これらの共有した時間や空間が
親子という関係を
作ってくれていたのだと思います。

完全に一人で時間を使うようにはプログラムされていない

私は子供を持ってから、
「自分の時間をどれだけ確保できるか」が
最重要事項でした。

とにかく効率的に、家事や雑務の時間は時短!
まではよかったのですが、
次第に夫との時間、仕事仲間との時間も
時短するようになっていきました。

頑張って捻出した「自分の時間」。
無駄にせぬよう効率的に読書、勉強、カフェでのお茶と
慌ただしく行動していました。

もともと一人で過ごすのが好きなので、
満足はしていましたが、
極限まで他人との時間を避けた結果、
なんか虚しく寂しいと感じるように。

学んだことを共有したいし、
気持ちを分かち合いたいし、
一緒に成し遂げたい。

自分は孤独に強いはず。
孤独に耐えるためには
もっと強くならなくては
と意気込んでいましたが、
そういう問題ではない。

人間は一人で生きていけるように
プログラムされていない。
ここに立ち向かおうとすることが
そもそも無理なんです。

オンラインツールで直接会わなくても
話ができてしまう時代になったけれど、

たまにはスマホを置いて、
会いたい人に会いに行きましょう。

そしてスマホ見過ぎて
心が疲れたら
ネットで多くの人と
繋がるなんて生物学的に無理!と
割り切ってしまいましょう。

誰もいない公園のベンチで完読
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